新製品情報 2019年 11月号!(2019/11/8)

nanofactory新製品情報8

※DMM.makeクリエイターズマーケットへの出品です。
それでは製品の詳細です。

TKK 3450/3850形 3452F 最晩年タイプ Nゲージボディ3両未塗装組立キット組立説明書:https://nanofactory-models.com/Instructions/tkk3452f.pdf※本製品はボディと屋根板・床板・前面床下機器のみのキットです。床下機器・台車・車輪・窓ガラス・パンタグラフ・車体表記類等は別途ご用意ください。

TKK3450形は、1931年~1936年の間に、日本車輛製6両・川崎車輛製44両の計50両が製造されました。
各種更新を受けつつ平成元年まで走り続けたため、その外観形態は多岐にわたっており、”1両として同じ仕様の車両は存在しない”とまで言わしめたバリエーションの豊富さも人気の一つです。
多くの車両が様々な組成で活躍しましたが、晩年は日車製デハ3452を先頭にデハ3451・3850形クハ3861を連ねた3452F3連が組成され、引退直前にはリバイバル旧塗装が施されて人気を博しました。

nano factoryでは、デハ3450や3499といった両運転台車をリリースしておりましたが、新たにデハ3452+デハ3451+クハ3861で組成される3連の最晩年の姿を選定して、3Dプリントにて皆様にご提供いたします。

未塗装板状キットですので、TKKデハ3450としてはもちろんのこと、細部加工で他の車番に改造したり、切り継ぎ等の加工で往年の各社旧型車を再現したりしてお遊びいただけます。

プロモーション写真は、有名な撮影地の一つである池上線の洗足池~石川台にある切通をイメージしています。本当は背景にアーチ橋があるとよいのですが、ちょうどいい形状のものが無かったので……しかし、曲線の具合や少し上方向にあおるような構図、右側の切通法面、右手前のTKK旧タイプ列車接近灯などが”らしさ”を醸し出しています。
在りし日の3450形といった風情で何ともカッコいいですね!

・製品写真
※写真は組立例です
デハ3452

deha3452

デハ3451

deha3451

クハ3861

kuha3861

床下機器には、後述する本セット3452F用床下機器セット(別売)を使用しています。3450形は機器類が方転していたり、主制御器・MG・CP等の配置や種類が多岐にわたっております。既製品の並び替えでもよいのですが、この別売床下機器セットはこの部分の車両差も忠実に再現しておりますので、より実感的なプロポーションを簡単に再現できます。
動力ユニットは、トミーテック・鉄道コレクション用17m級動力ユニットTM-05Rを組み込めるよう設計しておりますが、この製品の在庫が無いらしく、現状入手が困難なようです。
ただ、16.5mの3450形にはこの動力ユニットの全長と軸距がぴったりで替えが効かないため、プロポーション重視でこの動力を採用しています。本家鉄道コレクションで3450形の製品化が決まっておりますので、その時の再生産に期待したいところです。
表記類は、トレジャータウンの旧3000系用車番・T.K.K表記と、パンダ工業の検査表記を貼り付けています。何故だか今回使用したトレジャータウンのインレタは、付着力と台紙からの分離力が凄くて苦労しましたが、とりあえず形にはなりました💦

本製品のポイントは、やはりデハ3452と3451の作り分けでしょうか?全て忠実に、とはいきませんが、出来る限り作り分けております。
左:デハ3452 右:デハ3451

どちらの日車製ですので、でっぷりとした深い屋根、小ぶりなベンチレータ、取付足の長いランボード、扉上の水切、目立つ屋根リベット、長いアンチクライマー等を再現しています。このうち、デハ3452は・非貫通運転台・旧型吊架式尾灯(いわゆるガイコツテール)・パンタ配管引き通しの違い・運転台側妻面手すり位置の違い・予備パンタ台
このあたりが特徴となってきます。
デハ3451だと、・貫通運転台・木製貫通・乗務員扉・乗務員扉上ヘッダー位置低・旧型側灯
・前照灯撤去・枠残存
・尾灯撤去・パンタ配管引き通しの違い・運転台側妻面手すり位置の違い・予備パンタ台撤去
という違いが生まれております。
・組立写真
出力直後の様子です。

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上の写真がデハ345・3451、下がクハ3861です。
製品では、床下機器及び台車枠は別売対応(クハ3861用YS-T1台車除く)として本体価格を下げています。このあたりは良し悪しがあるのですが、「床下機器程度ならばタイプでいい」、「自分で既製品を並び替えて自作する」という声もあり、そのような現状で床下機器類を含めると3Dプリント価格が大幅に上昇してしまうため、ボディ類と床下機器類は分けることにしました。

組み立てます。

接着剤は瞬間接着剤を使用してください。アクリル用接着剤もあるにはあるのですが、溶剤臭が瞬着より強い気がするので各自検討してください。ただ、アクリル用接着剤はタミヤセメントのように部品同士をわずかに溶かして部品同士を一体化させるため、強度的には良いのかもしれません。


デハ3452妻側です。屋根上の予備パンタ台もデハ3452の形状で的確に再現。同じ予備パンタ台でも、デハ3450更新前とはまた形状が違うのが面白く難解なところです。
オデコには前照灯の撤去痕が残ります。

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こちらはデハ3451の車両中ほど。側灯は旧型の横に出っ張った形状を再現しています。
屋根リベットの細かい表現もいい塩梅で出ていると思います。主張しすぎず、でもさりげなくアピールしてくる感じを再現するのは難しいのです。

こちらもデハ3451。乗務員扉が木製で、腰板部分の窪みが特徴です。
前照灯の撤去・枠残存の半端な状態も再現。幌や渡り板は貫通タイプには必須ですね。屋根上はパンタ鍵外し線をこれまた細かいディテールで浮かせて再現しています。破損させないようご注意ください。
これらは全て幌も含めて一体成型だったりします。その方が強度的にも、部品点数的にも有利で、価格を大幅に抑えることが可能なためですが、射出成型品と比べて3Dプリントの場合には、一体成型でもディテールが損なわれないのが魅力です。
デハ3452と3451を並べて

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積層痕が気になりますが、他製品と同様#600程度で軽く撫でてあげれば消えます。なお、作例は全てアクリルUltra modeによる出力ですので、Xtreme modeならばさらに積層痕は薄くなるでしょう。
両者とも特徴的でカッコいいですね!
3850形も。


3850形クハ3861は、既発売のクハ3850形と仕様的には変わりません。横浜製作所製タイプを再現しております。
特徴的なYS-T1台車も既製品が無いため、この台車に限ってはボディセットに含んでおります。ご安心ください。
最後に全景で。

3450形3452-3
3450形3452-2

次の3450形シリーズは、目黒蒲田電鉄モハ510(3450形の原形スタイル)となりそうです。

TKK 3450/3850形 3452F 床下機器セット 動力ユニット用台車・床下機器レリーフ付

スライド6

上で紹介した3452Fの床下機器と台車枠をセットにしたものです。デハ3452・3451・クハ3861の床下機器と日車ボールドウィン台車の他、デハ3451の鉄コレ動力ユニット用床下機器・台車枠レリーフが付属します。
セット構成は以下の通りです。

スライド7

日車ボールドウィン台車はGM D-16台車という近似製品があるのでわざわざ用意する必要も無いのですが、板ばね部分が実車に則し3連であるところを再現しております。また、鉄コレ動力ユニットにも日車BW台車枠を模したものが付属していますが、こちらも鉄コレ動力に対応した台車枠を付属させています。ピボット集電板に合わせて台車枠車軸部分裏側を欠き取ってありますので、加工の必要はありません。

TKK 5000系 デハ5117更新タイプ Nゲージボディ未塗装組立キット
組立説明書:https://nanofactory-models.com/Instructions/tkk5000m5117r.pdf※本製品はボディと屋根板・床板のみのキットです。床下機器・台車・車輪・窓ガラス・パンタグラフ・車体表記類等は別途ご用意ください。
TKK5000系は、 1954年に製造された18.5m級の新性能電車です。
張殻構造を用いた超軽量車体や溶接構造の軽量台車、直角カルダン駆動の軽量主電動機等、従来の車両製造技術とは大きく異なる新技術を投入し、在来車と比べ約30%もの軽量化を実現した画期的な車両でした。
特徴的な下膨れの張殻構造車体は、ライトグリーンの塗装と相まって「アオガエル」の名称で親しまれました。

このうちデハ5117は、登場当初こそ他の5000系車両と共に6連を組んでいましたが、後に登場したステンレス製の5200系に組み込まれ、その後長らく5200系と共に5両編成で活躍しました。1981年には更新工事が施行され、窓枠のアルミサッシ化や雨樋の撤去、客用扉上の水切新設など外観が大きく変わりました 。

nano factory では、5200系晩年の姿を製品化しておりましたが、新たに5000系デハ5117の更新後のスタイルをモデル化し、3D プリントにて皆様にご提供いたします。

9月発売の5200系晩年タイプにぴったりの車両になります。大井町線での活躍にはなくてはならない存在です。実車は1981年に更新工事を受けており、アルミサッシ化・雨樋撤去・水切新設のタイプは既製品にはないタイプですので、是非とも仲間に加えてやってください。
戸袋窓のみサッシ化されていないので、間違えて銀色に塗らないよう注意です。

・編成例デハ5201

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デハ5211

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サハ5251

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デハ5117(本製品)

deha5117

デハ5202

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これで正規の編成になりましたね(笑)5200系も晩年タイプと登場時タイプを製品化済ですので、ぜひ取り揃えていただければと……
なお、床下機器は5200系のものを含めて全てGM8500系エコノミーキット付属のものから切り貼りしています。CPも実車の3YSとほぼ同型のC-1000が付属していますし、意外とそれっぽく作れるのでおススメですよ!

・組立写真

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出力直後はこんな感じ。8000系と当時に試作出力していますので、上に余計な出力品が写ってしまってますが……

サフを吹きます。

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パンタ台周辺の細かい配管類やランボードもよい出来です。ベンチレーターは一応浮かせており、メッシュ部分も再現しています。
水切や客用扉下部の出っ張ったクツズリのディテールもシャープでいいですね。

特徴的な裾のRはどうしても積層痕が出やすいので、紙やすりで滑らかに仕上げます。とはいえ作例では実はヤスリ掛けしておらず、塗膜の厚みである程度消えてしまいます。もちろん完璧を目指すならヤスリ掛けするに越したことはありません。
完成イメージ

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市が尾~藤が丘の築堤をイメージして。大井町線での朝ラッシュを終えて長津田へ帰宅する様子、といったところでしょうか?……なんか後ろの架線柱が傾いているなぁ……

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